ポイ活の「ポイ」

ポイ活という言葉もすっかり市民権を得たようで、テレビ番組でも時折特集を見かけることがある。ポイ活の「ポイ」とはもちろん「ポイント」のことだが、そのポイントの種類は結構多様だ。マイラー歴30年(長いだけ、という話もあるが・・)の、ぼくの主観で分類してみた。

1)ハウスポイント
店ごとに固有の「スタンプカード」などがわかりやすいが、1店舗だけでなく、たとえば「マツキヨポイント」のように、全国のマツキヨ・ココカラチェーンで使用できるポイント、というのがここに含まれる。他のポイントに交換できることは稀で、とにかくそのお店やチェーンが顧客囲い込みのために昔からやっている手段。

2)経済圏ポイント
携帯電話のキャリア各社は、通信業だけをやっているわけではなく、ショッピングや金融など多方面で業種展開していることが多い。楽天経済圏(楽天ポイント)、LINE/Yahoo経済圏(PayPayポイント)、ドコモ経済圏(dポイント)、au経済圏(pontaポイント)の4つ。これらは1つのチェーン店舗に限らず実に多くの店舗やサービスで獲得・利用できるので、「共通ポイント」と呼ばれることが多いが、残念なことに4つを互いには交換できない。それに、何年間もポイントを放置していると「失効」してしまうというのも特徴だ(PayPayポイントは例外的に有効期限無し)。

要するに、現金またはマイルに交換しない限り、原則としてその経済圏で早々に使い切ることを主な目的としたポイント。経済圏として顧客を囲い込むための、規模の巨大なハウスポイントと言って良いと思う。楽天の「お買い物マラソン」なんていうのはその露骨な例。

3)Vポイントグループ(仮称)
SBI経済圏(Vポイント)、イオン経済圏(waon point)などのポイントが、ぼくの主観では真の共通ポイントだ。Vポイントとwaon pointだけではない。JR九州のJRキューポ、セゾン・UC系の永久不滅ポイント、あるいはポイントサイト各社で貯まるポイント群。これらのポイントはすべて相互に交換できるだけでなく、Gポイントを経由するなど交換ルートをくふうすれば、「経済圏ポイント」に分類したポイント群にすら交換できるので利用範囲がものすごく広い。差し当たって使い道が無いのであれば「永久不滅ポイント」に交換してずっと貯めておけば、放置していても有効期限切れになることもない。

4)航空マイル
JAL、ANAという日本の2大航空会社と、ユナイテッド航空を始めとする米系の航空会社のマイルが代表的。数十年前に「FFP(Frequent Flyer Program)」という、「飛行機に搭乗すればするほどマイルが貯まって色々優遇される」というサービスが始まったことが、現在のポイ活の起源ではないかと思っている。いまでは飛行機に乗らなくても、航空系のクレジットカードを使ったショッピングを始め、さまざまなサービスの利用でマイルを貯めることができるようになったが。

そして何よりの特徴は、共通ポイントと呼ばれるポイントのほぼすべてがJALマイルあるいはANAマイルに交換することができるという点だ(PayPayポイント以外)。そういう意味で、航空マイルこそがある意味、真の共通ポイントと言えるのかもしれない。

しかしJAL、ANAマイルの最大の欠点ではないかと思うのは、有効期限が短すぎること。他の共通ポイントのようにマイルが増減するごとに自動的に期限が延長されるわけではなく、貯まった日から3年(JALのGG会員は5年)で容赦なくポイント失効してしまうのだ。失効が近づいていることを認識していれば無理やり色んな使い方で消費することもできるが、忙しくしている間に失効して泣かされたことがこれまで一度や二度ではない。。

その点、米系の航空会社のマイルは有効期限が無いので安心だが、JAL、ANAに比べると、マイルを貯める手段がかなり限定されるのが課題。

5)現金(キャッシュバック
各経済圏で貯めたポイントで、各経済圏と関係の深い証券会社を使って金融商品を買付け、売却することでも現金化はできるし、pontaポイントについては単純にauPayチャージ後の出金で現金化できるが、ここでの現金とは、ポイントの代わりにもらえる報酬(キャッシュバック)のこと。
銀行系のキャンペーンや、クレジットカードのリボキャンペーンだとキャッシュバック特典になることが多い。クレカによっては「請求金額自体を1%割り引く」というようなものもある。

ポイントをいちいち現金化しなくて良いので、キャッシュバック大好きという人もいるようだが、ぼくはキャッシュバックというのがあまり好きではない。理由は「利益実感が乏しい」に尽きる。言い換えると「蓄積効果」を感じられないから、ということになるだろうか。

ポイントやマイルであれば、たとえそのときに得られるポイントが僅かでも、繰り返し獲得することで、それはやがて何千ポイント、何万ポイントにもなっていく。「ああ、こんなに増えた」という嬉しさがある。

ところがキャッシュの場合、「特典でもらった現金が貯まっていくスピード」よりも、日々月々の収入や支出のスピードのほうがはるかに大きいので、多少の付与や割引などは日々の変動の中に埋もれてしまう。キャッシュバックがある都度、それをいちいち「取り分けて」別口座に貯めていけば少しは実感が違うのかもしれないが。

あと、細かい話だと税金の問題もある。ポイントをどれだけ貯めようが、それを実際に使用しない限り課税対象にはならないが、キャッシュバックの場合はいきなり雑所得になってしまう。まあ、申告時に困るほどキャッシュバックがあるケースは少ないとは思うけど。

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で、結局ぼくはどうしているのかというと・・・

老後に備えての老後資金とは別に、今のうちにポイント資金・マイル資金を貯めておいて、将来少しずつ使うべく、
① Vポイントグループのポイント群を永久不滅ポイントにまとめて蓄積。現金化するかマイルに変えるかは将来決める。
② 航空マイルはマイレージプラスをメインに。将来はANA国内線で発券しまくる。
という2つが中心。

しかしながら、JALマイル、ANAマイル、楽天ポイント、dポイント、pontaポイントといったものもなんだかんだで結構貯まってしまう。これらに関するキャンペーンも多いし。なので、これらは「日々の暮らしをちょっとだけ豊かにするため」と割り切ってどんどん使うということで割り切っている。